遠隔診療についての最近の動向

自由診療のオンライン診療は、徐々にに広まってきています。遠隔診療について法的な、そして医学的な問題はあるのでしょうか?

 

・遠隔(オンライン)診療の法的根拠

医師法第20条では、「医師は、自ら診察しないで治療を(中略)してはならない」という記載があり、医師が患者さんを直接診察をしないと治療をすることができないという原則になっています。

他方、医療の過疎化の問題等の要因から、平成9年の遠隔診療通知と称されるものは、「医師法第20条などにおける診察とは(中略)現代医学から見て、疾病に対して一応の診断を下しうる程度(中略)有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条などに抵触するものではない。」と解釈しています。

ただ「留意事項」として慢性疾患:特定の疾患に対するものや、離島へき地の患者に対するものに限定されるべきで、初診は必ず対面診療を行わなければいけないと医療界では解釈されました。

時代の変化を受けて、平成27年には、離島へき地というのはあくまで例であり都市部の患者の遠隔診療が妨げられるものではないこと、疾患の規制とされていたものもあくまで例でそれ以外の疾病・診療科目についても行うことができるとされました。

ただし「直接の対面診療と適切に組み合わせておこなわれるべきこと」。しかし「初診が必ずしも対面でなければならないわけではない」という解釈に困るものでした。

結論から言いますと、平成31年時点では、遠隔診療の裾野は広がっているが(初診に限らないものの)対面診察を組み入れなければならない、というのが医師法第20条に抵触しない条件になります。医師法は保険診療にも自由診療にも適用されますので解釈は同じです。

 

・オンライン処方の法的根拠

現在の法制度のものでは、処方した医師の施設で(院内処方扱いで)そのまま発送した場合は問題ないとされています。

医師法第22条に「医師は(中略)患者又は現にその看護に当たっている者に対して処方せんを交付しなければならない」との条文があり、院外処方の場合には医師は患者に対して処方せんの原本を渡さなければならないとされています。よって院内処方以外では難しく、院外処方を原則とする今の医療とは逆行する事態が起こります。

 

・自費治療におけるオンライン診療

自費治療も遠隔診療のみで診療を完結してはいけないのは原則です。自由診療であれば事実上遠隔診療のみで問題ないと解釈している医療法人もありますが、対面診察を診療のどこかで組み込まなければいけない原則からいえば、医師法第20条に抵触する可能性が濃厚です。

 

・オンライン診療の安全性

オンライン診療で用いる薬物に制限はないので、例えばミノキシジルなどでは心疾患や低血圧を患っている方には処方できませんが、これを対面診察しないで気づくことは事実上不可能と考えられ、医療安全上の問題があるといえます。

 

・当サイトのような医療情報の提供

医師法で規定されているのは医師による診察(診断を含む)、治療(生活指導も含む)がメインになっています。しかし、健康寿命を延ばすための一般的な総論的アドバイスを行うことは医師法の範疇にはないものと考えます。(医師が新聞や雑誌に執筆料をもらって一般的な疾病解説やアドバイスをすることに類似すると解釈されます)よって、具体的に患っている疾患について治療法にコメントすることや、症状から何らかの診断をすることはできませんが、早寝早起きをしましょうなどの一般的アドバイスは問題がないと考えられます。法的な問題は難しいところがあるので厚生労働省の解釈が変わることによってオンラインでできることが変わってくる可能性はありますが、現状では現在我々Fact Imaging LLCが行っているこの情報提供が限界であると思われます。

ご意見、ご感想などありましたらお寄せ下さい。

kenkoyomei@gmail.com  

(Fact Imaging LLC 七瀬)

 

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